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DopeLearning (KDD16) を読んだ.
KDD の論文をちゃんと読むのは初めてなのかも. (iPad でハイパー長文感想書いたのに投稿されていなかった…もう寝る)
ラップの Lyric の生成タスクを定義して,音韻的な特徴を評価尺度として提案し,またそれに基づく IR 的な手法による Lyric 生成手法を提案した論文.
貢献
- ラップの歌詞生成の情報検索的アプローチを提案.(他のテキスト生成タスクにも使えそう)
- ラップの作詞生成タスクを Line を予測する問題として定式化.また意味的な類似度をとらえるために,RNN ベースのモデルを利用した素性が有効だと示した.
- 歌詞の技術的な質(すごさ,Dope さ)を定量化する Rhyme Density を提案.実際のラッパーにより有効性を確認.
- deepbeat.org でデモが公開されている.(ちゃんと動く. 著者グループはフィンランド人で,このシステムのデモ版では,英語・フィンランド語で Lyric の生成ができる.)
手法
- 歌詞は Line の連鎖だと定義
- 前文脈が与えられたとき,つぎの Line を推薦する
- 推薦のランク学習には RankSVM を使う
- 素性
- 音韻的素性
- 構造的素性(文字数ベース.長すぎると歌えないから,全体が同じような長さになるようにする.)
- 意味的素性(BOW, LSA)
- 意味的素性 2 (Collobert と同様の単語 RNN)
- 尺度
- 歌詞の質: Rhyme Density
- 推薦の質: Rank, MRR など
感想
タイトルに惹かれて読んだ. 脚注の解説やタスクへの取り組み,デモなど,ラップ愛が強くてよかった. 手法は堅実で効果もありそうだけど,それ自体は特にラップに特化したものではない.もう少し言語学的な特徴の議論があれば面白くなりそう. 一番の収穫は,Computational Creativity という面白そうな分野があることを知れたこと.あと,Helsinki 大などフィンランドで KDD に通るところがあるというのを知って,留学したくなった.